<7. 指導するために>

・移調楽器について
 トランペット、クラリネット、サックス、アルトホルン、ホルンは移調楽器です。楽譜に書いてある音と実際に出る音との関係を知っておく必要があります。
 イギリスを中心としたブラスバンド式の記譜ではトロンボーン・ユーフォニアム・チューバも移調楽器として扱われます。

・各楽器の音色
 各楽器の名演奏のCDやビデオ等を聞いたり見たりすることは音色だけでなく、吹いている時の体の動きなども指導の参考になります。

・各楽器の指導のポイント
 楽器によってそれぞれ難しいポイントがあります。

 金管楽器は音の出し方はどれも同じですが、音域、構造の違いでそれぞれに課題があります。

トランペットの課題
ホルンの課題
トロンボーンの課題
チューバの課題

 木管楽器はそれぞれの運指の違い等による固有の問題があります。
 特に問題が多いのはクラリネットだと思います。

クラリネットの課題

 先生が実際に吹いて練習する必要はありませんが、どういう点が難しいのかを知っていると指導する時にとても役に立ちます。
 生徒がうまく演奏できない場合に、それが出来なくても仕方がないくらい難しいフレーズなのか、当然出来るはずの部分なのかを判断することが必要です。
 例えば、リップスラーのパターンは金管楽器なら楽譜がなくても吹けますが、木管楽器ではなかなか大変です。
 他の楽器なら普通に吹けるスラーのフレーズでもトロンボーンではなかなかうまく吹くことは出来ません。
 木管楽器なら音域によって疲労度が違うということはあまりありませんが、金管楽器では高い音域が続くと短時間に疲れてしまいます。
   このような各楽器の特徴を知っておけば、生徒に無理をさせることもありません。

・指揮の基本
 スクールバンドでは同じ曲を何度も練習できるので、どんな指揮でも生徒は演奏してくれますが、わかりやすい指揮ができればそれに越したことはありません。基本的な指揮のしかたや合図の出し方も勉強してください。
 あるテンポを維持するというのも案外難しいものです。必要に応じてメトロノームでテンポをチェックしてください。

・指導法
 学生時代に楽器を練習した経験のある先生も、もう一度指導法を勉強してみましょう。
 中学校の吹奏楽のクラブ等では意味がないと思われる不思議な練習?をしているところがありました。
 学生時代に経験した練習方法が合理的なものなのかどうか、各種の教則本等で確認してみると今まで知らなかったいい方法が見つかるかもしれません。

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