<15. 選曲>
スクールバンドでは選曲も大きな問題です。
曲の好き嫌いも大切ですが、まず難易度をよく考えて曲を選んでください。
「生徒が知っている」という理由でテレビ番組や映画の主題歌等を選ぶ先生も多いのですが、生徒が知っているのはメロディだけです。メロディ以外のパートもよくチェックしないと、伴奏のリズムやコードが難しい場合があります。
うまくいってないバンド(先生)はほとんどの場合、難し過ぎる曲を選んでいます。
数回の練習で演奏できるようになるということを一つの目安にしましょう。それで通らない曲は、単純に、そのバンドにとって難し過ぎるのだと考えて下さい。
演奏の難易度が表示されている楽譜もありますが、あくまでも目安です。
あるバンドにとって易しい曲でも、他のバンドに取っては難しいこともありますし、その曲の中で大切なメロディが書かれているパートに、今年始めたばかりの生徒が集まっていて音が出ない等ということもあります。
まずトランペットやホルン、フルートやクラリネットの音域が広過ぎないか(高過ぎないか)に注意しましょう。普段の基本練習でどのくらいの音域まで練習しているか、どの音域まで吹けているのかをよく把握しておきましょう。
また、どの楽器でも動きの早い部分は難しいものです。自分のバンドの今の技術がどの程度かということをよく考えて、難し過ぎるものは避けましょう。
いつもその時々のバンド全体のレベルに合った無理のない曲を選んで練習しましょう。
難しい曲がいい曲とは限りませんし、難しい曲を演奏できるバンドがいいバンドということもありません。バンドのレベルに合わせるということが一番大切です。
生徒は毎年入れ替わっていきます。一年でいろいろな種類の曲(クラシック、ジャズ、ラテン、童謡、ポピュラー等)を少なくても10〜20曲程度は経験できるように選曲を考えてください。
また、ゆったりとしたテンポでメロディを歌うような曲と、テンポが速めでリズミックな曲もバランスよく選んでください。金管バンドのための編曲集はいろいろなスタイルの曲をワンコーラスずつ吹きやすい音域で編曲しています。1曲でも多く音を出してみてください。
多くの学校でマリンバ(木琴)が何台もあるのに使われてないのを見ました。打楽器の生徒が何人かいれば鍵盤打楽器(シロフォン、グロッケン、マリンバ等)だけでも曲を演奏できます。音域の広いマリンバなら一台を二人で使うことも出来ます。
例えばこんな曲はどうでしょうか?
「ピチカート・ポルカ」5パート。
  スコア
  1st
  2nd
  3rd
  4th
  5th
ピアノの楽譜からでもパート分けをして簡単に譜面を作ることができ、静かで美しいハーモニーのアンサンブルが出来ますから、いろいろなコンサートでもっと使えると思います。
<15. 選曲>