<8. 楽器の練習の前に>

・まず静かに座る
 練習を効果的にすすめるためには、お互いの音や先生の話に意識を集中させることが大切です。そのためにはまずメンバー全員が練習中は静かにしていないといけません。他のパートが吹いている時にゴソゴソ動いたり、隣同士で話している生徒がいると他のメンバーも集中できません。そういう生徒の中には自分が邪魔な音を出しているということを意識していない子もいます。
 必要なら、一定の時間(例えばメトロノームで何拍とか決めて)みんなで静かにする練習もしましょう。静けさを教えることも大切です。

・演奏時の姿勢・各楽器の音色
 演奏の姿勢を説明することも大切ですが、映像でそれぞれの楽器を演奏している姿を見せることが出来れば、同時に各楽器の演奏の雰囲気・音色等も教えることができます。

・打楽器(特にスネアドラム)の演奏姿勢は楽器の位置(高さ)で決まります。
 スネアドラムのスタンドには座奏用(ドラムセット等で使います、左側)と立奏用(右側)があります。
 立って叩く時に座奏用のスタンドを使っていて楽器が十分な高さ(ヘッドの位置がベルトから握りこぶし一つぐらい下)まで上がっていないのをよく見ます。
 学校に立奏用のスタンドがない時は座って叩いてください。スネアは立って叩かないといけないということはありません。
 スタンドの種類を確かめて生徒の身長に合わせて楽器の位置を調整するようにして下さい。
 これも生徒だけで出来るように指導したほうがいいでしょう。
 他の音板打楽器やペダルティンパニ等、楽器の高さを変えられないものは生徒の足下に台を置いたりしてマレットと楽器の位置関係を調整してください。

・各楽器の指使い、スライド・ポジション
 生徒一人一人に必ず運指表を渡して、できるだけ早い時期に覚えてしまうように指導しましょう。
 運指を覚えるのは生徒の責任ですが、運指表を渡すのは先生の責任です。

・楽譜の読み方(特に低音譜記号)
 生徒が楽譜を読めるかどうかは練習内容や曲の仕上げを左右する大切な問題です。楽譜が読めれば新しい練習課題もどんどん取り入れることができます。楽譜の読めない生徒に各パートを覚えさせて合奏するようなことはやめましょう。1曲の練習に時間がかかりすぎると生徒が興味を失ってしまいます。
 楽器の練習の前に(あるいは練習と並行して)楽譜が読めるように指導しましょう。

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