スクールバンドの評価は本番の演奏だけで決まるものではないと私は思っています。特に小学校では初めて本格的な合奏を経験する生徒がほとんどで、一定の時間、音に神経を集中して静かに座っているだけでも大変なことです。
そういう生徒に楽器の演奏や音楽的な表現を教えて、いい演奏をするために自分できちんと練習する習慣を付け、楽器を大切に扱うように指導するのは本当に大変でしょう。でも、いい演奏ができるバンドの小学生はそういうことができますし、そういう生徒を育てなければでいいバンドはできません。
いいバンドを経験したために音楽を好きになる子供が一人でも増えれば素晴らしいことだと思います。そのためにはメンバーの多くが合奏を楽しみ音楽が楽しいと感じているバンドを作りたいものです。
そんなバンドの楽しさは、演奏している生徒の友達や家族にも広がっていきます。バンドは演奏しているメンバーだけのものではありません。それがスクールバンドの存在価値だと思います。
コンクールでいい演奏をするバンドだけがいいバンドではありません。
今でも1年間同じ曲を練習して運動会等で演奏しているバンドもあります。同じ曲を何度も何度も飽きるほど繰り返して吹いて子供たちは楽しいでしょうか? そういうバンドの中には楽器を決めると同時に演奏する曲の楽譜を渡しているところもあります。
校歌くらいは、楽譜を渡してすぐに演奏できるようなバンドを作るために、毎週一度しか練習しないバンドでも毎回新しい
メロディを吹きましょう。
同じ練習時間でもっと楽しいバンドを作ることができます。
生徒が興味をもって楽しんで楽器を練習するようなバンドにしましょう。
<2. どんなバンドがいいバンド?>