生徒に楽譜を読ませようとしないで、
運指表も一人一人に配らず、音名や指番号を楽譜に書かせる先生がたくさんいます。その方が早く曲が吹けると考えているようですけど、結局は何も得るところはありません。
指番号や音名などを楽譜に書き込んでからコピーして配る困った先生もたまにいますが、それではいつになっても生徒が楽譜を読めるようにはなりません。こういう「本番さえ上手くできれば」というやり方はもはや指導とは言えないでしょう。いつも、何のための、誰のためのバンドなのかを考えて指導しましょう。
何年も前から使っている基本練習の楽譜に誰かが書いた音名や運指が残っているのをよく見ます。また生徒が持っている楽譜のファイルの中に指などの書き込みのある楽譜が残っていることもよくあります。そういう悪い習慣の名残を一度きれいに片づけて本当にゼロの状態から新しい習慣を作ることが一番の近道だと思います。
同じバンドの中で、より複雑な木管の運指は楽譜に書き込めないので生徒がみんな覚えているのに、金管の生徒は簡単に書き込めるので覚えていない、というのを何度も見ました。
また、新しい楽譜にスラスラと指番号を書き込んでいく生徒もたくさん見ました。
簡単に書けるから覚えなくてもいいと考えたり、覚えているのに音符の近くに書いてないと吹けないというのは単に習慣の問題で、そういう悪い習慣を放っておいては初見力は育ちません。