まず息はゆっくり深呼吸することから始めましょう。ゆっくり吸ってゆっくり吐くことで深くたっぷり吸う感覚を覚えることができます。
例えばメトロノーム
![](Metronome.gif)
を使って、四分音符120で4拍吸って4拍吐くとか8拍吸って8拍吐くというように、何かわかりやすい目標を作って練習したほうがいいでしょう。時間的には1〜2分でいいと思います。
誰でもいつも呼吸しているんですから、楽器のための呼吸法といっても特別なものではありません。
ごく自然なことなので、楽器が吹けるようになったら、呼吸のためだけに長い時間をかけるよりも、ロングトーンの前に4拍息を吸う時間を取るというように他の練習と組み合わせた方がいいでしょう。
アンブシュア(口の形)はどの管楽器でも大切な問題です。各楽器の上手な人が吹いている写真やビデオを見ると、それぞれの楽器特有のアンブシュアの特徴がわかります。ただ口や歯並びは個人差があるのでいくつかのポイントをチェックするだけにしてください。
どの楽器にも共通なのは下唇の内側に空気を入れないとか、唇を横に引かないとかいうことです。
金管楽器では唇の振動で音が出るので良いアンブシュアを作ることが特に大切です。生まれて初めて音を出した時の印象は特に強く頭に残るので、その時のアンブシュアが仮に不自然で無理なものでも、本人はそれを「自分の吹き方」として覚えてしまいます。
金管楽器で音を出す前に唇だけで
バズィングし、そこにマウスピースを当ててその感覚を覚えてから楽器を付ける方がいいでしょう。
ある小学校で、トランペットの生徒が長い間「上唇」と「舌」を振動させて音を出していて、タンギングの練習を始めるまでは誰もそれに気がつかなかったという話を聞いたことがあります。やってみると確かにその吹き方でも音は出ました。何も説明せず「とにかく音を出してみましょう」とマウスピースを渡したりすると、このようなひどい遠回りをさせることもありますから、一番最初の部分をいちばん慎重に指導してください。