<16. 年間指導計画>
一年の間にバンドの力は大きく変化します。
学年の初めは新入部員も入ってどの学校でも基本練習で精一杯です。その時期に無理な曲の練習を始めたりせず、新入生が合奏に参加できるようになるまで我慢して基礎を作りましょう。
楽譜を読むことも大切な基礎です。
まず、一つの音を確実にタンギングして吹く練習をしてください。これが出来ないとどんな曲もきちんと仕上がりません。バンド全体で一つの音をポンと吹けるようになるまではその後の練習に進んでも時間の無駄です。
一つ目の音をきちんとスタートできて、初めてその次に続く音につなげることが出来ます。
一学期中に演奏しなくてはいけないこともあるでしょうが、そういう時でも新入生にはレベルに合わせて易しい部分だけを吹かせる等の配慮をしてください。学年の途中からの新入部員にも同じような配慮が必要です。
いつもメンバーの一人一人が自分のパートを確実に吹けているかどうかを確認してください。
一学期の終わり頃にはぐんぐん上手になって、二学期からはいろいろな曲を演奏できるようになってきます。
二学期の終わり頃から学年の終わりにかけて各地で演奏会やフェスティバルが開かれていますが、その頃には各バンドのレベルが一番高くなっています。
この時期でも、バンド全体よりもメンバー一人一人の練習にウエイトを置いた方がいいと思います。
一人一人にそれぞれの楽器を演奏する力が付けば付く程、合奏も楽になってきます。
忘れてはいけないのは、学校のバンドは「毎年ゼロからスタート」ということです。
学年の終わりに上手になったバンドの音を聞いてしまうと次の年もついついその延長のように思えて、基本の音作りを忘れて、前の年より難しい曲から始めてしまう先生が多いようです。
去年のメンバーが多く残っているような場合は特にそうなりがちですが、今年から始めた生徒のレベルに注意して下さい。2〜3ヵ月我慢すれば新メンバーも去年からのメンバーのように吹けるようになってきます。
<16. 年間指導計画>