<小学校バンド指導のために>
もう20年以上も西日本の各地で小学生のバンドを聞いてきました。
このページを作ろうと思ったのは、小学校の限られた練習時間の中でも、もっと合理的なバンド作りができるはずだと長い間考えていたからです。
何年か前、ある講習会でモデルバンドとして上手に演奏してくれたバンドが、その場で新しく配った譜面では最初の音一つも出せなかったことがありました。ある地方の演奏会の打ち合わせで、一カ月以上後のコンサートの最後の合唱の伴奏を頼まれた学校の先生が、絶対間に合わないと断っているのも聞きました。十年ぶりに行った学校で十年前と同じ曲を練習していたこともあります。
今でも一部の先生は本番の演奏さえできれば指導方法はどうでもいいと考えているようですが、スクールバンドの場合はその演奏に至る練習の過程が大きな問題で、教育的な価値はむしろそちらにあると思います。
小学生が大人と同じ楽器を使って上手に演奏しているのはある意味で驚きですし、練習を始めて数カ月でみるみるうまくなっていくのを見ると不思議な気もします。たった一曲でも吹けることで満足すべきなのかもしれませんが、同じくらいの練習時間でもっと活発に活動できるバンドを作ることができるのに、と思うことがよくあります。
音楽活動ですから最後は指導者の耳(音程や音色や音の形を聞き分ける力)や音楽的センスで差がつくのはしょうがないと思いますが、それよりもはるか以前の、生徒にどう指導していいのかわからない、どういう練習をすればいいのかわからない、とにかく1年に1~2曲演奏させるだけで精一杯、という段階で止まっているバンドが今でもかなりあるのはとても残念なことだと思っています
「小学校バンド・・・」というタイトルを付けましたが中学校のバンドで感じたことも少し入っています。
ここに書き出したことが何かのヒントになって、いいバンドが増えるのを楽しみにしています。
ご質問等はメールでドンドンお寄せ下さい。それを参考にしてさらに実用的なホームページにしたいと思っています。
2003年3月 吉岡康博
最終更新日 2024.10.3