<余韻>
自然な音は瞬間に消えるのではなく、鳴り終わった瞬間から音量がゼロになるまで減衰して(だんだん小さくなって)消えていきます。音楽的にいうとディミヌエンドです。そのディミヌエンドしている間が余韻です。
打楽器等ではそれぞれの楽器によって余韻の長さを短くは出来ますが長くすることは出来ません。シロフォンの高音域やウッドブロック等は余韻が短く、大太鼓等の音には長い余韻があります。
本来、余韻というのは音が鳴った後に残る響きですから、そこまで吹くというのは変に感じるかもしれませんが、音を舌で止めて余韻のない不自然な音にならないように、どんな短い音でも息で自然な余韻(の様な部分)を付けるようにしましょう。
管楽器では余韻の長さやディミヌエンドの形を息でコントロールできます。
下の譜例を見て下さい。
Aが音が出始める(吹き始める)点で、AからBまで(吹き始めから必要な音量になるまで)を音の「立ち上がり」といいます。BからCまでが音を延ばしている時間、そしてCからDまでが音量が減衰していく余韻の部分です。
AからBまでをこの図では分かり易いようにかなり長めに書いていますが普通は一瞬です。
また、この図ではどちらもBからCまで同じ音量で延ばしていますが実際の演奏ではこの部分の音量も変化します。左と右の例では音の延びている時間は同じですが余韻の長さが違います。音の立ち上がりから余韻までの音量の変化で音のニュアンスが決まります。
ピアノ等ではAからDまでの音量の変化は一定で変えることは出来ません。
例えば、マリンバの低音域の音を生徒に聞かせて、音の初めから終わりまでの音の形(音量の変化)を管楽器で真似してみましょう。マリンバの音が完全に消えるまでのニュアンスを管楽器で真似することは息のコントロールのためにもとてもいい練習になります。
もっと余韻の長いグロッケンや余韻の短いシロフォンの音なども真似してみましょう。