ユーフォニアムやチューバの4番目のピストン(ロータリー)は、音程が高めになる1+3の指使いの代わりに使います。楽器によってこの4番ピストンを右手小指で押さえるものと左手の指で押さえるものとがあります。
ユーフォニアムの低いC
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やB♭チューバの低いC
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は1+3ではどうしても高めになるので、もしピストンが4本ある楽器ならできるだけ4を使うようにしてください。同じようにその半音下の低いB(シ)も2+4を使ってください。4番目のピストンを押さえた時の音程は4番ピストンのチューニング管で調節できます。
E♭バスでは低いF
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を4で、低いE
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を2+4で吹いてください。
トランペットやコルネットの低いレ
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やレ♭
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の音も高めになりますが、1と3のチューニング管を抜くことで調整出来ます。詳しいことは
音程の誤差を見てください。
ダブルホルンではB♭管を使っていても1+3や1+2+3のような音程が悪く(高く)なる運指の音ではF管の0や2を使ってみてください。
B♭管では
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ですが、F管だと同じ音が
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になります。
トロンボーンのF管も4番ピストンと同じです。
上がF管のないトロンボーン。下がF管付きのトロンボーンです。
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F管が付いているからバス・トロンボーンというわけではありません。テナー・トロンボーンなのかバス・トロンボーンなのかは、ロータリーがあるかないかではなく管の太さ(ボア)で決まります。
テナーと同じ管の太さなら、F管が付いていてもテナーです。F管の付いているテナーを日本ではテナー・バスと呼ぶこともあります。
F管付きのテナーでも、バスでも管の長さは同じなので、出る音域とポジションは同じです。
左手の親指のレバーを押すと、1ポジションのままで6ポジションの音が出せ、低いC(ド)
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を手を伸ばさずに1ポジションで出すことができます(音程の微調整は必要です)。
でも、楽器全体の長さが長く(F管に)なるので、それぞれのポジション間の距離(半音分の距離)も長くなります。半音下のB(シ)
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はB♭管の2ポジションより遠くなりますが、ここがF管の2ポジションです。
トロンボーンはスライドで自由に音程を調整できるのでF管で低いD♭
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まで吹くことができます。このD♭はB♭管の6ポジションとほぼ同じ位置で出せますが、F管としては5ポジションです。B♭管とF管のポジションの位置関係はだいたい次の図のようになります。
ただ同じF管の1ポジションでもC
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とF
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ではかなりポジションがずれます。(楽器にもよりますが)スライドを奥まで入れた状態でFをチューニングすると、Cはスライドを2センチ程抜かないと合わない思います。
F管の6ポジションはB♭管の7ポジションよりも遠くなり、スライドの端まで手を伸ばしてもまだ音程が高めになりますから、F管は5ポジションまでと考えた方がいいでしょう。
もし、低いC
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やB
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が出てくる場合はロータリーの二つあるバストロンボーンを使いますが、楽器がかなり重く、楽器を持っている左手の指で二つのロータリーを操作しなくてはいけないので小学生には難しいと思います。
余談ですが、時々、ロータリーが一つのバス・トロンボーンを、バス・トロンボーンと知らずに高いパートに使っていることがあります。見た目が高級そうだからというのでロータリーが二つのバス・トロンボーンで1番を吹いていた中学校もありました。
テナー・トロンボーンの中でも管の太さが何種類かあり、それぞれ特徴があるので、演奏する音楽に合わせて使い分けます。一般的にはジャズ等は細管で、現代のクラシックのオーケストラは太管です。小学生にはあまり太くない管の楽器が使いやすいと思います。
他の金管楽器にも太管・細管等の区別がありますが、トロンボーンの場合は使えるマウスピースまで太管用、細管用の違いがあります。